好きな居場所を持っていい。絵本『ねえ、キティおしえてよ』
- 2016/11/12
- 16:00
今朝は少し寒さが弛み、ほっとした。
秋は面白そうな行事、企画が多い。
とはいえ、行ってみたい分だけ自分も開催側に関わっている…という現状が悩ましい。
昨晩は根を詰めて、来週末に向けての作業に取り組んだが、結局、終わらずに、今日のお出かけは断念。
しかし…
絵本に逃避ワープ♪
さて
今日の絵本は、私が、かつて文庫活動をしたいと思っていた頃、古書店やフリーマーケットなどで購入した中の一冊。かれこれ、20年ぐらい前のこと。
そして、今
屋号だけは、しっかりと「みどりのほんや」を掲げて、いつか何かしらの形で本屋さんをやるのだと、ほぼ決めている。今年5月の一箱古本市 at 鎌倉ブックカーニバル、デビュー参加。
その後は、本屋さんらしきことはしていないが、これいい!と思うと、いつか本屋さんをやるのだから、という理由をつけてお財布の紐をゆるめ、つい買ってしまう。ホント、本屋さんしないと…。
横道にそれたが
今日、紹介する『ねえ、キティおしえてよ』は現在も絶版のようだ。
ちなみに、今、手元にあるこの本の発行は、1984年、5刷、と記されている。少々、ネンキは入っている状態。

ロングセラーとして長く出版され続ける絵本がある一方、良書、逸品と思われても、絶版になってしまうことも多々。
そんな中、読者のリクエストに応え復刊される動きもあり嬉しい。
復刊ドットコム
昨今、図書館を廻って残念な動きもあるが、復刊されない本は図書館で大事に読み継がれるようにしてほしい。
古書店を通して、必要な子ども、大人の手を廻っていくのも良い流通だなあ、と感じる。
『ねえ、キティおしえてよ』
ミラ・ギンズバーグ 作 ロジャーデュボアザン 画 あらい ゆうこ 訳
ペンギン社 1979年初版
シンプルなストーリー展開と、ユーモアのある表現。
画は、温もりのある色彩に、やさしい、無駄のない筆遣い。
がちょうをはじめ、登場する生き物たちの、表情が、良く出ていて、楽しく、愉快な感じ。
そして、全体として、素朴で、平和なイメージ。
がちょうと、おんどりが、それぞれの、一番いい場所について、言いあい?をするところからはじまって、彼らが、みんなに、「いちばん、いいばしょはどこ」と聞いて歩く、というストーリー。
さて、聞いて歩くと、ぶたも、もぐらも、りすも、かぶとむしも、さかなも・・・、みんな、違う、いい場所!をおしえてくれる。
ぶたのいちばんの場所は「きもちのいい、つめたい ぬかるみ」だった。
からすは「たかい たかい きのうえよ」と。
さかなは「しずかな おがわ」と。
もぐらは「このトンネル」ってこたえた。
みんな、それぞれの、いい場所を持っているんだね。
最後に、がちょうと、おんどりは家の近くに戻ってくるが。
そこでは、キティがハンモックの上で、気持ちよく昼寝中。
キティにも、こたえを聞こうと、待っているうちに、ふたりとも、うとうと眠くなってしまった。
さあ、みんな、どこで眠っているのかな?
がちょうは、くさの中で。
おんどりは、柵の上で。
キティは、ハンモックで。
ぶたは、ぬかるみで。
カラスは、えだで。
さかなは、おがわで。
もぐらは、トンネルで。
・・・
それぞれの、好きな、居心地の良い場所で、みんな、安心した表情で眠っている。
いいなあ。
そう、みんな、自分の居場所を持っていていい。
それぞれの居場所が尊重されることの大切さを、考えてみる。
安心して、帰れる、眠れる場所があることの有り難さも。
しかし
生きる基盤、生活の居場所を失っている人が居る。
身体の安全が守られる居場所が脅かされている人が居る。
心の居場所を失って、彷徨い、孤立する人が居る。
居場所の問題は、私たちが生きることに直結している大きな課題。
そして人ごとではなく、社会や自分の心身の状態によって、誰もが遭遇する可能性のあること。
自分の居場所のことだけでなく。
他者の居場所が尊重されることに思いを馳せていたい。
この絵本、民話からの再録、とも、書いてある。
この物語のもとは、古くから、地域で、伝えられているものらしい。
生きていく上で、大切なことが、語り継がれ、読み継がれることって、いい。
誰かに、諭されたり。
学校の教科書で、教えられたり。
そういう方法よりも、身近な動物や自然、暮らしの物語を通して。
人から人へ…語り継がれるストーリー。
より、効果的に、メッセージが入っていくような気がする。
それぞれに、好きな居場所を持っていいんだよ。
安心して、眠れる居場所を持っていていいんだよ。
この絵本に出てくる、生き物たちの表情からは、それぞれが、自分の居場所について、誇りを持っていることも、感じ取られる。そんな思いで、生きていけたらいいな。
でも、絵本って。
別に、メッセージを意識することもなく、ただ、楽しいな、愉快だな、おかしいな、ははは!もOK。
なんだか、つまんない、だってかまわない。感じ方は、自由なのだ!

先週の由比ケ浜で見た月。今晩はもうずいぶんとふっくらとした、お月さまに会えることだろう。
14日の満月は、スーパームーンらしい。
秋は面白そうな行事、企画が多い。
とはいえ、行ってみたい分だけ自分も開催側に関わっている…という現状が悩ましい。
昨晩は根を詰めて、来週末に向けての作業に取り組んだが、結局、終わらずに、今日のお出かけは断念。
しかし…
絵本に逃避ワープ♪
さて
今日の絵本は、私が、かつて文庫活動をしたいと思っていた頃、古書店やフリーマーケットなどで購入した中の一冊。かれこれ、20年ぐらい前のこと。
そして、今
屋号だけは、しっかりと「みどりのほんや」を掲げて、いつか何かしらの形で本屋さんをやるのだと、ほぼ決めている。今年5月の一箱古本市 at 鎌倉ブックカーニバル、デビュー参加。
その後は、本屋さんらしきことはしていないが、これいい!と思うと、いつか本屋さんをやるのだから、という理由をつけてお財布の紐をゆるめ、つい買ってしまう。ホント、本屋さんしないと…。
横道にそれたが
今日、紹介する『ねえ、キティおしえてよ』は現在も絶版のようだ。
ちなみに、今、手元にあるこの本の発行は、1984年、5刷、と記されている。少々、ネンキは入っている状態。

ロングセラーとして長く出版され続ける絵本がある一方、良書、逸品と思われても、絶版になってしまうことも多々。
そんな中、読者のリクエストに応え復刊される動きもあり嬉しい。
復刊ドットコム

昨今、図書館を廻って残念な動きもあるが、復刊されない本は図書館で大事に読み継がれるようにしてほしい。
古書店を通して、必要な子ども、大人の手を廻っていくのも良い流通だなあ、と感じる。
『ねえ、キティおしえてよ』
ミラ・ギンズバーグ 作 ロジャーデュボアザン 画 あらい ゆうこ 訳
ペンギン社 1979年初版
シンプルなストーリー展開と、ユーモアのある表現。
画は、温もりのある色彩に、やさしい、無駄のない筆遣い。
がちょうをはじめ、登場する生き物たちの、表情が、良く出ていて、楽しく、愉快な感じ。
そして、全体として、素朴で、平和なイメージ。
がちょうと、おんどりが、それぞれの、一番いい場所について、言いあい?をするところからはじまって、彼らが、みんなに、「いちばん、いいばしょはどこ」と聞いて歩く、というストーリー。
さて、聞いて歩くと、ぶたも、もぐらも、りすも、かぶとむしも、さかなも・・・、みんな、違う、いい場所!をおしえてくれる。
ぶたのいちばんの場所は「きもちのいい、つめたい ぬかるみ」だった。
からすは「たかい たかい きのうえよ」と。
さかなは「しずかな おがわ」と。
もぐらは「このトンネル」ってこたえた。
みんな、それぞれの、いい場所を持っているんだね。
最後に、がちょうと、おんどりは家の近くに戻ってくるが。
そこでは、キティがハンモックの上で、気持ちよく昼寝中。
キティにも、こたえを聞こうと、待っているうちに、ふたりとも、うとうと眠くなってしまった。
さあ、みんな、どこで眠っているのかな?
がちょうは、くさの中で。
おんどりは、柵の上で。
キティは、ハンモックで。
ぶたは、ぬかるみで。
カラスは、えだで。
さかなは、おがわで。
もぐらは、トンネルで。
・・・
それぞれの、好きな、居心地の良い場所で、みんな、安心した表情で眠っている。
いいなあ。
そう、みんな、自分の居場所を持っていていい。
それぞれの居場所が尊重されることの大切さを、考えてみる。
安心して、帰れる、眠れる場所があることの有り難さも。
しかし
生きる基盤、生活の居場所を失っている人が居る。
身体の安全が守られる居場所が脅かされている人が居る。
心の居場所を失って、彷徨い、孤立する人が居る。
居場所の問題は、私たちが生きることに直結している大きな課題。
そして人ごとではなく、社会や自分の心身の状態によって、誰もが遭遇する可能性のあること。
自分の居場所のことだけでなく。
他者の居場所が尊重されることに思いを馳せていたい。
この絵本、民話からの再録、とも、書いてある。
この物語のもとは、古くから、地域で、伝えられているものらしい。
生きていく上で、大切なことが、語り継がれ、読み継がれることって、いい。
誰かに、諭されたり。
学校の教科書で、教えられたり。
そういう方法よりも、身近な動物や自然、暮らしの物語を通して。
人から人へ…語り継がれるストーリー。
より、効果的に、メッセージが入っていくような気がする。
それぞれに、好きな居場所を持っていいんだよ。
安心して、眠れる居場所を持っていていいんだよ。
この絵本に出てくる、生き物たちの表情からは、それぞれが、自分の居場所について、誇りを持っていることも、感じ取られる。そんな思いで、生きていけたらいいな。
でも、絵本って。
別に、メッセージを意識することもなく、ただ、楽しいな、愉快だな、おかしいな、ははは!もOK。
なんだか、つまんない、だってかまわない。感じ方は、自由なのだ!

先週の由比ケ浜で見た月。今晩はもうずいぶんとふっくらとした、お月さまに会えることだろう。
14日の満月は、スーパームーンらしい。
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