小説『 れくいえむ 』郷静子著。戦争ってこういうこと。
- 2018/01/27
- 00:00
ずっと、心の本棚にも置いておきたい本の一冊が、昨年、出会った
郷静子さんの『れくいえむ』です。
『れくいえむ』郷静子作 1972年・第68回芥川賞受賞作品。
著者の郷静子さんは、1929年(昭和4年)横浜生まれ。
『れくいえむ』は、横浜大空襲の前後、終戦まもなくまでの物語です。
横浜大空襲は、1945年(昭和20年)5月29日。
『れくいえむ』は、
戦争とは…、を伝える反戦の書であると共に。
ひとが生きるとは…、を深く、静かに、問いかける文学作品だと、感じています。
そして
どこにでもある、でも、かけがえのない…日常が、丁寧に、淡々と、綴られていく物語です。
それは、戦争が、特別なところにあるわけではなく。
私たちの日常に、存在しうることも伝えてくれています。
戦争ってこういうこと…。
ひとりの軍国少女が感じ得たことが、ここにあります。
戦争が本当はどういうものなのか…、青春の日々と生命を犠牲にして知るのは、あまりに残酷で悲しいことです。今と未来の子どもたちには、そんな体験をしてほしくはありません。
だから、戦争をせずに。
戦争を振り返ることが、とても大切なのだと思います。
この本に出会うきっかけとなったのが、よこはま里山研究所にある「はまどま」で毎月第四土曜日の夜に開催されている朗読会です。*詳細はこちら
主人公、節子の内面の言葉も含め、語り、問いかけ、対話、交換日記などによって、いく種類もの舞台(場面)が交差して織物のように完成されていく展開は、この作品の魅力だと感じていますが、一方で、少し、難解な印象を与えているかもしれません。
朗読の力はそうした部分も明解にしてくれて、登場人物、ひとりひとりの声が、より一層、心に響いてくるような気がします。
戦争、の足音がリアルに近づいているのを感じる中で、平和を希求しつつも、気持ちが重苦しくなりがちで、ひとりで本の扉を開けるのをためらっている方も、気軽に「はまどま」の扉を開いて、ぜひ、耳を傾けてみてください。

絶版。現在は、古本と電子書籍のみです。
文庫版とハードカバー版(古書)があります。
文庫版は、1975年が第一刷で、宮原昭夫氏の解説が付いています。
写真の文庫版は、1992年第十二刷です。
れくいえむ (文春文庫 149-1)
単行本(1973年)
Kindle版(2012年)
郷静子さんの『れくいえむ』です。
『れくいえむ』郷静子作 1972年・第68回芥川賞受賞作品。
著者の郷静子さんは、1929年(昭和4年)横浜生まれ。
『れくいえむ』は、横浜大空襲の前後、終戦まもなくまでの物語です。
横浜大空襲は、1945年(昭和20年)5月29日。
『れくいえむ』は、
戦争とは…、を伝える反戦の書であると共に。
ひとが生きるとは…、を深く、静かに、問いかける文学作品だと、感じています。
そして
どこにでもある、でも、かけがえのない…日常が、丁寧に、淡々と、綴られていく物語です。
それは、戦争が、特別なところにあるわけではなく。
私たちの日常に、存在しうることも伝えてくれています。
戦争ってこういうこと…。
ひとりの軍国少女が感じ得たことが、ここにあります。
戦争が本当はどういうものなのか…、青春の日々と生命を犠牲にして知るのは、あまりに残酷で悲しいことです。今と未来の子どもたちには、そんな体験をしてほしくはありません。
だから、戦争をせずに。
戦争を振り返ることが、とても大切なのだと思います。
この本に出会うきっかけとなったのが、よこはま里山研究所にある「はまどま」で毎月第四土曜日の夜に開催されている朗読会です。*詳細はこちら
主人公、節子の内面の言葉も含め、語り、問いかけ、対話、交換日記などによって、いく種類もの舞台(場面)が交差して織物のように完成されていく展開は、この作品の魅力だと感じていますが、一方で、少し、難解な印象を与えているかもしれません。
朗読の力はそうした部分も明解にしてくれて、登場人物、ひとりひとりの声が、より一層、心に響いてくるような気がします。
戦争、の足音がリアルに近づいているのを感じる中で、平和を希求しつつも、気持ちが重苦しくなりがちで、ひとりで本の扉を開けるのをためらっている方も、気軽に「はまどま」の扉を開いて、ぜひ、耳を傾けてみてください。

絶版。現在は、古本と電子書籍のみです。
文庫版とハードカバー版(古書)があります。
文庫版は、1975年が第一刷で、宮原昭夫氏の解説が付いています。
写真の文庫版は、1992年第十二刷です。
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