たのしく笑いたいときの『へびのクリクター』
- 2016/02/24
- 08:00
へびのクリクター トミー・ウンゲラー作
『 へびのクリクター 』
トミー・ウンゲラー作 中野完二翻訳
1974年3月 文化出版局
鎌倉の古書店「ブックスモブロ」でふと目についた馴染みのある表紙。
あ、クリクターだ!
そして手に取るより早くユーモア溢れる物語が脳裏によみがえってきた。
思い出しやすい…、って、もしかしたら 絵本の良さの一つ だろう。
ストーリーがコンパクトだから、思い出しやすい。
ページをめくるようにして、記憶が整理されながら出てくる感じ。
絵は、視覚的な記憶として残りやすく思い出しやすい。
思い出すことで何度もたのしめる、いつでもたのしめる…記憶の中でも…。
『へびのクリクター』は シンプルにたのしい 絵本。
気品のある婦人に、愛情深く育てられたへびのクリクターのお話。
大まじめな物語なのだが…。
展開されていく場面はひとつひとつ笑わずにはいられない。
婦人とクリクターの様子は精密に、美しく、気品をもって、まじめに描かれており。
そのなんともいえない、ミスマッチというか、マッチしすぎな、ユーモアセンスの光る画が。
この物語をパワフルにたのしくさせている。
クリクターのための、ながーい手編みのセーターをせっせと編む婦人の様子とか。
ながーいベッドで、くつろぐクリクターとか。
ながーいからだを活かして、自由自在に子どもたちと学び、遊ぶクリクターの姿とか。
思わずニンマリ、吹き出して、笑ってしまう。
さて、久しぶりに『へびのクリクター』を手にとり思い出しながら読んでご満悦のわたし。
一緒に居た友人にもその喜びを共有してもらおうと手渡したが、今ひとつの反応。
どうしたのかな、と思ったら。
は虫類が苦手な人だった…。
へび嫌いでは、笑えない物語なのか???
それだけ、へびの特徴が良く描かれていてリアルでもあるのだろうなあ。
へびが嫌いでも、クリクターは好きになる人が居るかもしれないけどね。
books moblo ブックスモブロ は、アートな本がジャンルを越えてあるような印象。
自然やコミュニティをテーマにしたものも多いのかな〜。
古書だけでなく面白いものいろいろ。面白い活動もいろいろ。
絵本はなつかしいものがかなりあり、座りこむと一日居てしまいそうで。
いろいろほしくなってしまいそうで…。
今回は古書ではなく葉山在住のこうのかなえさん のポストカードを購入して帰路。(←彼女のお店も素敵そう…)
モブロの場所は、鎌倉・大町方面 ⇒ http://moblo.ocnk.net
- 関連記事
スポンサーサイト
トラックバック
「みどり」に繋がることをテーマに。
本は、古本、新刊本、バーゲンブック(BB)を取り扱っています。
●絵本 、小説、詩集。自然、社会。暮らし、手仕事、アート。こころ、からだ。
●多様性、当事者性を尊重する視点で選書。●季節の移ろいを感じられる本屋に。