『さあ、はこをあけますよ!』絵本を開くと待っている物語は?
- 2016/03/16
- 08:00
さあ、はこをあけますよ!
『さあ、はこをあけますよ!』
ドロシー・クンハート著 ふしみ みさを訳
岩波書店 2014年6月発行
もともと出版されたのは1940年、かれこれ80年近く前。
アメリカの女性作家によるもの。
日本がアメリカとの戦争に入っていく時代だな…。
わたしの親世代が生まれた頃なのか、とか。
いろいろ思いを馳せつつ、いずれにしても、ずいぶん月日が経っているけれど、色あせた感じがせず、むしろ、現代風、というか、最近出版された本ですよ、と言われても違和感がなさそう。
サーカス団で、小さい、小さい、小さい犬…として可愛がられ活躍していたピーウィー。
しかし、あるとき、ピーウィーは普通の犬の大きさになってしまい、サーカスを去らなければならなくなる。
物語の中とはいえ、容赦ない。
そういう 現実の厳しさや残酷さをストレートに描いている ところが、昔の物語風かもしれない。
とはいえ、物語は、そのあと、奇抜な展開でハッピーエンドに導かれる。
だから、安心して読める。
...で、思わず、また読んでしまう。
そう、ピーウィーは、今度は、大きい、大きい、大きい犬になる。
単純な物語ながら、ピーウィーの大きさのように、アップダウンを繰り返す感じが醍醐味の絵本。
身体って、大きくも、小さくも、いろいろ、自由自在…そんな気持ちにもさせてくれる。
わたしはアレクサンダーテクニークのレッスンを、受けているのだが。
身体の使い方によって、意識の持ち方によって、自分の身体が、小さくも、大きくも、広くも、狭くも…、良くも悪くも、いくらでも変化することを体感している。
重力をはじめ、様々な環境や身につけてきた習慣の中で、自分の身体がどうなろうと仕方がない、なるようになれ〜、では、やっぱりもったいない。
自分が心地よく、自分の力を発揮出来る状態に、身体を使っていけたら、いいなあと思う。
絵本を楽しく、たっぷり、読むためにも…。
*アレクサンダー・テクニーク
わたしがレッスンを受けているのは、ヨガをきっかけに出会った日本AT研究会の先生です。
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