『ティッチ』末っ子にうれしい絵本、小さな種をまくことって魅力的。
- 2016/03/24
- 08:00
ティッチ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
『ティッチ』
パット・ハッチンス著 いしいももこ翻訳
福音館書店 1975年4月発行 (世界傑作絵本シリーズ アメリカの絵本)
ハッチンスの絵本、好き!
子ども心をキュっとつかむようなオチに、自然にみちびかれる。
ハラハラドキドキではない、やさしく、おおらかさの中にある愉快な展開。
画がいいよね。
シンプルで、デザインっぽい描写、というのか。
カラフルで、クリアで、なおかつ、温もりのある色彩。
すごいな、って思う。
兄姉の中で一番小さい、ティッチのお話。
何でも、兄姉たちのほうが、大きかったり、うまくできたり…。
それも、あたりまえのことなんだけど。
ティッチは、めげずに、上の子たちと同じことにチャレンジし続ける。
自分も同じにできるはず、もっと、できるはず、って信じているみたい。
我が家のティッチ(娘)も、そうだったなあ。
絵本のティッチよりも、もっと固く、自分も出来る!と信じている印象だった。
お兄ちゃんたちが歩いているから、私も歩くわ、という感じで、ずいぶんと早く10月も経たないうちに歩き出し。
お兄ちゃんたちがトイレに行っているから、私もトイレでするわ、という感じで、おむつが外れるのも早かった。
そう、そして、そんな妹と一緒に手をつないで歩いてくれたり、トイレに駆け込んでくれたりした、お兄ちゃんたち、やさしかったよね。だから、早く出来るようになった…、のかも、本当は。
ティッチの絵本は、ラストシーンで兄姉たちを驚かせ、末っ子、ちびっこは大満足。
兄姉弟三人の関係も、ほほえましい。
つい、ちょっとえらそう、になるお兄ちゃんたち。
自分だって、とやってみるティッチ。
でも、いっつも一緒。見守ってくれている感じもいい。
ティッチの蒔いた小さな種は、大きく育っていく。
種まきが大切。
小さい種も、大きく育てることができる。
春のメッセージにぴったりだなあ。
わたし自身へ贈りたい言葉でもある。
すべては、いきなり大きいことができるわけでも、大きい収穫を得られるわけでもない。
まず、種まきから。
そして、種は、どんなふうに育っていくのか。
あっと言う間にニョキニョキ育つかな、どっしりと、ゆっくりと育つかな。
お花が咲く? 実ができる?
小さな種をまくことって、とても魅力的なこと。
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