森を歩きながら贈りものを選ぶっていいなあ『 うさぎさん てつだってほしいの 』
- 2016/03/27
- 01:07
うさぎさんてつだってほしいの
『 うさぎさん てつだって ほしいの 』
シャーロット・ゾロトウ文 モーリス・センダック絵
1974年11月発行 冨山房
センダックの作品を、集中的に読んでいた頃がある。
いいな、気になるな、って思うと、何でもとことん読んだり、調べたり、味わいつくしたくなる。
そうやっていると、メジャーな面からは見えない、恵みがもらえることも多い。
この本とも、そんな中で出会うことができた。
よく知られる『かいじゅうたちのいるところ』などの絵と印象がことなる。
こういう画風も好き。
今…
森に居るような気がしてしまう。
こもれびに映し出されると、
夜の月と星に照らされると…。
森は、こんなふうに見えるのだろうか。
感じられるのだろうか。
そういう色と筆づかい。

登場する、うさぎさんは宇宙からやってきたような不思議な風情。
達観したような頼もしさと、やさしさを持っている。
「あげるものが なんにもない」と困っていた女の子に、お母さんへの誕生日プレゼントを探すお手伝いをする。
ゾロトウのお話もいい。
とくに、このフレーズは好き。
お母さんは…
「とりは そとのきで うれしそうに うたってるのが すきなの」

うさぎさんが色のイメージから、プレゼントとして鳥の名前をあげると、女の子は決まってそんなふうにこたえる。
うさぎさんも、女の子も、お母さんも、みんな、やさしいんだなあ、って。
ほっとする。
昨今、商品としての贈答品が溢れる世の中…は、少々、いや、かなり騒々しい。
森を歩きながら、ゆったりと、贈りものを選ぶ …とても素敵だ。
- 関連記事
スポンサーサイト
「みどり」に繋がることをテーマに。
本は、古本、新刊本、バーゲンブック(BB)を取り扱っています。
●絵本 、小説、詩集。自然、社会。暮らし、手仕事、アート。こころ、からだ。
●多様性、当事者性を尊重する視点で選書。●季節の移ろいを感じられる本屋に。